誤魔化されてはいけませんよ。
年金記録照合プログラム、NTTデータが実費で開発へ NTTデータは対象者が分からない約5000万件の年金記録を照合するプログラムの開発を、社会保険庁から実費で引き受ける方針を固めた。同プログラムの開発には10億円程度かかるとみられていた。NTTデータが利益確保を考えず、人件費と経費だけ請求すれば、開発費は最大3割ほど安くなりそうだ。
社保庁は現行の年金システムに代わって2011年に稼働する新システムは複数社に分割発注する方針。今回開発するのは現行システムと組みあわせて動かすプログラムで、同社の重木昭信副社長は実費で開発する理由を「国民的な不安の解消に向け、全社を挙げて取り組む姿勢を明確にするため」と説明している。
この前提にあるのは、年金のプログラムがNTTデータに独占されているという事実だ。
年金プログラム、2010年まで著作権持たず・社保庁 社会保険庁の公的年金オンラインシステムについて、同庁が2010年12月までプログラムの著作権を持たないことが分かった。著作権はNTTデータが保有し、プログラム追加や改変は原則、同社にしか発注できない。社保庁は今後数年間、該当者不明の年金記録約 5000万件の照合などで多くのプログラムが必要になる。しかし、著作権がないために、そのほとんどを同社に競争の無い随意契約で発注せざるを得ない見通しだ。
社保庁がNTTデータと結んでいるのは「データ通信サービス契約」。年金システムの心臓部の記録管理部分を構築したNTTデータが運用・保守も手掛ける。プログラムの著作権も同社が持つ。社保庁は1980年にNTTデータと契約を結んだが「一般事業者ではノウハウが無い」との理由で現在まで同契約を更新し続けている。
随意契約に問題があることは否定できない。が、何が問題なのか?
「随意契約」の問題点に関する分かりやすい例として、今日(7月4日)の朝日新聞『ウォッチ』に載った尾形聡彦記者の署名記事を引用する。
年金システム「随契」横行
「06年度までの契約書は作成されていませんでした」
先月28日の参院厚生労働委員会。民主党の藤末健三議員の質問に、会計検査院側がこう答えると議場は騒然となった。
問題にされたのは、年金記録問題に揺れる社会保険庁の情報システムだ。開発や保守業務の多くはNTTデータに委託され、05年度には年約840億円が保険料や公費から支払われた。が、委託内容を規定すべき契約書はなかった。
ずさんな手続きの温床となったのが、役所にはびこる随意契約だ。昨年10月に報告された会計検査院の検査では、対象となった「国の省庁の情報システム費」約4700億円(04年度)のうち、実に96%が随意契約で、社保庁では99.9%に上った。「いったんシステムを開発すれば、中身が分かるのはその業者だけ。随意契約がずっと続く」(関係者)という。不透明さはぬぐえない。
政府はいま「電子政府化」の旗を振る。しかし、契約の透明化やシステムの効率化を怠れば、「IT立国」に名を借りた無駄遣いとなりかねない。
ここまでくると、単純に、「随意契約なんてやめてしまえばいいのでは?」という声が上がりそうだ。
しかし、確かにそれも一つの手ではあるが、単純すぎて決して打つことのできない手なのである。
以前のエントリーでも書いたが、これは社保庁だけの問題ではない。そして、随意契約だけを問題にすると事の本質を見誤る。
事の本質は<役人の情報システムリテラシーの低さ>と、それにつけこむ業者のあくどい体質にあるのだ。
この項は長くなるので、また改めて書きたい。
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